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無垢材と集成材の違いから見るメリットとデメリット
無垢材は、伐りだした木を建材に使いやすい形状に加工した木材です。自然のままの木そのものなので、住宅の壁や床になった後も、木の香りがします。無垢材の集成材と違うメリットとデメリットを確認していきましょう。
無垢材のメリット
自然な風合いの無垢材にはたくさんの良さがあり、住宅の内装に使うと、室内環境を向上させることや、家族の健康維持に影響を与えます。無垢材の内装によってどのようなことが望めるのでしょうか?
室内環境を調える働き…ジメジメとカラカラを防ぐ
無垢材は加工されて建材となってからも呼吸しているかのような調湿作用があります。室内の水分が増え、湿度が高い時期には、水分を吸収し、室内の湿度の上昇を抑えます。
反対に、乾燥している時期には、蓄えていた水分を空気中に放出して、室内の空気を適切な湿度のある空気に調えます。その結果、梅雨時でも室内がジメジメせず、冬場には乾燥が原因の喉や肌の炎症を防ぎます。
室内環境を調える働き…季節に応じた室温を維持しやすい
木材には、熱の移動を抑えるという働きがあります。熱の移動を抑えることによって、夏は、太陽の直射熱が家の中に侵入することを防ぎ、冬は暖房で暖めた熱が、家の中から逃げて行ってしまうことを防ぎます。その結果、冷暖房が効率良く働き、夏涼しく、冬暖かい家が実現し、冷暖房にかかる費用を抑えられます。
実際に無垢材を内装に使った家では、極端に暑い日でなければ、冷房なしで過ごせるほどです。また、冬場には、他の建材ほど冷気の影響を受けないので、足裏のヒヤッとした感覚が少ないことも特徴です。
心を癒し健康をサポートする
無垢材の持つ木の香りには、自律神経を調え、心を落ち着かせる働きがあります。その為、無垢材内装の部屋にいると、森林浴をした時のような爽快感があります。自律神経が調うと、睡眠の質が良くなる、免疫力が上がるなど、健康にも良い影響があります。
風合いの良さ
壁や床に使われる内装材の中には、紫外線や空気中の汚れによって経年劣化し、風合いが損なわれてしまう素材もあります。しかし、無垢材の壁や床は、時を経るごとに色合いや風合いが変化し、味わいが出てきます。
例えば、パイン材は、始めのうちは白木の明るい美しさがありますが、経年変化で飴色になり、落ち着いた風合いに変わります。反対に、もともと深みのある色のウォールナット材は、明るい茶褐色に変化していきます。
無垢材のデメリット
たくさんの良さがある無垢材にも、いくつかのデメリットがあります。
価格が高い
無垢材にも集成材にも多くの種類があるので一概には言えませんが、全体的に比較してみると、無垢材の方が価格に大きな幅があります。その為、マホガニーなどの高級樹種をふんだんに使うと、建築費が嵩みます。
強度が一定ではない
無垢材は自然のままの木を乾燥させて製材するのですが、木が育った環境によって、同じ一本の木であっても、強度や模様、含水量など細々とした条件が異なります。その為、乾燥させても均一な強度、乾燥の度合いにはなりません。模様や色合いも違います。その結果、反りや割れが生じることもあり、均一な模様にはなりません。
傷つきやすくシミになることもある
無垢材は柔らかいので、硬い集成材と比べると傷がつきやすい素材です。また、ワックスがけをさぼっていると、こぼした飲み物がシミになってしまうこともあります。
コラム 無垢材の家を建てる前に知っておきたいこと
無垢材の種類と価格の違い
原木の種類によって、色味や風合い、価格が異なります。実にたくさんの種類がありますが、内装や家具によく使われる木材を見ていきましょう。
檜
独特の香りと美しい風合いがあり、日本では昔から親しまれている最高級の木材で、非常に高価です。
パイン
自然な風合いと柔らかな感触で人気の高い木材です。家具にも利用されます。
オーク
船の甲板などにも利用されていた頑丈な木材で、重厚感があります。
スギ
ヒノキと並んで日本人にはなじみのある木材で和風の家に調和する風合いを持っています。
バーチ
シンプルですっきりした風合いの木材です。硬い木材なので、衝撃に強い特徴があります。
参考サイト 木材の性質および価格帯チャート
■ 梁を見せる天井は、住宅の構造部を見せる手法の一つです。無垢材には多彩な色があるので、色の選択肢は豊富です。
コラム 梁を見せる天井の魅力は無垢材の美しさが活きること
集成材の種類と価格の違い
集成材には装飾用の集成材と、構造部用の集成材があります。
造作用集成材
ラミナを集成接着した集成材で、主に階段、カウンターなどの内部造作に使われます。
化粧ばり造作用集成材
ラミナを集成接着した芯材の表面に化粧薄板を貼り付けた集成材で、長押や敷居、鴨居などの内装造作材に使われます。
化粧ばり構造用集成柱
ラミナを集成接着し、表面に化粧薄板を貼り付けた集成材で、柱材として使われます。
構造用集成材
等級区分したラミナを集成接着した安定した強度を持つ集成材で、柱、梁、桁などの構造部に使われます。
一般的に無垢材の方が高額だと言われています。しかし、構造用集成材の中には、無垢材より高額な集成材もあり、一概には価格の差の違いを断定はできません。
参考サイト 日本集成材工業協同組合 集成材の種類と用途
集成材と無垢材の違いは均一な強度と化学物質の有無
集成材は、ラミナと呼ばれるひき板や小角材から構成されている木材のことで、割れやそりを抑える為の加工がされています。その加工は、丸太から挽いたラミナを乾燥させ、節や割れを取り除くという方法です。加工されたラミナは、用途に合う大きさになるよう組み合わせて接着され、集成材として使われます。
最終的には接着して大きくするにもかかわらず、なぜ集成材はいったん細かく挽くのでしょうか?その理由は幅、厚さ、長さ方向を自由に調整する為です。用途に合わせて細かくサイズを調整することに加えて、厚さを調節して用途に必要な強度にすることができます。その結果、集成材は無垢材と違い、均等な強度と均等な乾燥の度合いがあり、反りや割れの心配がなく安定しています。
集成材とシックハウス症候群の関係
集成材のデメリットとしてまず挙げられるのは、化学物質が揮発されることによって発症するシックハウス症候群です。シックハウス症候群とは、新築の家の中の空気に揮発性化学物質が多く含まれていると発症する病気のことです。目がしみる、鼻水が出るなどの症状がおこります。アレルギー体質の人は、アトピーや気管支炎が悪化してしまうこともあると言われています。
確かに、平成14年に建築基準法が改正されるまでは、シックハウス症候群が発症するような家が少なくありませんでした。家の中の空気を汚染する化学物質は、集成材だけではなく、壁紙や塗料からも発生していたからです。しかし、法改正によって、ホルムアルデヒド発散量が規制されるようになってからは、発生の頻度がかなり低下しています。
合板、フローリング、構造用パネル、集成材、単板積層材、MDF、パーティクルボード、ユリア樹脂板、壁紙、保温材、接着剤、塗料、仕上げ塗材などから発散されるホルムアルデヒドの量が制限されるようになったからです。法改正以降、これらの建材には、ホルムアルデヒドの発散量に合わせて、エフフォースターという等級を表示することが定められています。
最もホルムアルデヒドの発散量が少ない建材にはF☆☆☆☆です。これより星の少ない建材は、星の数によっては使用禁止、使える場合にも、使う面積や場所に制限があります。そして現在はF☆☆☆☆以下の建材はほとんど使われていません。したがって、集成材=シックハウス症候群ということはありません。実際に家を建てる場合には、施工を依頼する建築会社にどのような建材が使われているのかということを確認すれば安心です。
■ 子育てに備えて家づくりをされるご家族にお勧めしたい住宅は、無垢材の平屋です。子供の見守りがしやすい、空気のきれいな家で、伸び伸びと子育てをしませんか?
コラム 天然無垢材の平屋で子育てを楽しむ
まとめ 無垢材と集成材の強度や性質の違いを活かした使い分けが家づくりのポイント
無垢材と集成材にはそれぞれの良さがあります。風合いや香りの良さを持つ無垢材を壁や床などの内装に使うと、無垢材の良さが活かされ、室内が快適な環境になります。ただし、無垢材は、原木の種類によって価格が大きく異なります。
例えば、ヒノキやウォールナットを家中の内装に使えば、非常に高価な家になってしまいます。しかし、原木の種類によって無垢材の良さが変わるわけではありません。無垢材の選び方で家の総価格が大きく変わるので、色合いの好みだけではなく、予算も視野に入れて検討する必要があります。
そりや割れのない集成材を構造部に使うと、強度の高さが活かされ、耐震性が上がります。家の性能は譲れない部分ですから、集成材が構造部に適切に使われていることが重要です。
見た目も美しく、傷がつきにくく、水に濡れても沁みにならない造作用集成材を階段やカウンターに使うと、傷やシミを心配せずにカウンターや階段が使えます。無垢材には、傷がついても、傷が却って風合いになるという面があります。しかし、傷やシミが付きやすい部分には、敢えて集成材を使うという選択肢もあります。
例えば、キッチンカウンターには、鍋などの硬くて重いものを置くこともあり、飲み物がこぼれることもあります。でも、キッチンという場所柄、傷ひとつない清潔感が求められます。そのような場合に、傷がつきにくい集成材が便利なのです。「無垢材と集成材が持つそれぞれの強みと良さを、適材適所に活かした家づくり」が理想的な木の家を実現します。
無垢材の持つ木の香りや肌触りの良さを味わえる内装、シミや傷がつきにくい集成材の造作家具、無垢材の風合いを生かす造作家具、どんなに大きな地震が来ても安心していられる強度の高い構造部を支える無垢材と集成材の適切な組み合わせというように、目的に合わせた使い分けがされている家が理想の木の家です。
理想の木の家で、無垢材の風合いと癒しを味わい、高い断熱性と調湿性による快適な室内環境の中で、地震や台風が来ても安心な暮らしをお過ごしください。
■ 天然の木という自然素材で作られた木造住宅は、自然素材の家を建てたい人に人気の高い住宅です。ただ、無垢材を使う家は、高額で手が出ないだろう…とあきらめている人も多いのではないでしょうか?でも、そんなことはありません。
コラム 自然素材の家はローコストで実現できる?
予算内で納得のいく家を建てたいとお考えでしたらエイ・ワンにご相談ください。
A-1グループは無垢材を内装に使ったログハウス風住宅など、低価格で暮らしやすいシンプルな住宅を建築する会社です。
低価格ではありますが、建築基準法で定められた耐震性以上の耐震性、家を劣化させない工法による高い耐久性、複層ガラスの窓や断熱材による高い断熱性を備えた長期優良住宅に対応することも可能な性能の住宅です。
長く住まえる家、快適な暮らしができる家は、住宅性能の高い家です。加えて、無垢材の内装の家は、天然の木材が持つ特性によって、家族の健康を守り、心を癒す住宅です。
A-1グループは、施主様のライフスタイルや人生観に合わせた住宅の在り方を常に考え、お客様にとって最適な解決策をご提案する暮らしやすい家の創り手です。
”全ては笑顔の為に”
これは、当社が常に心掛け、実践している家づくりのテーマです。
A-1グループでは、これまでに培ったノウハウと、数多く施主様の問題解決を行ってきた豊富な実績を基に、施主様の希望を叶える無垢材を使った家のプランを設計し、ご提案いたします。
ご提案の過程で、家族の夢や実現したいライフスタイルなどの、ご希望を存分にお聞かせください。
当社のスタッフが全力で、お客様の家づくりに寄り添います。