住宅の断熱性を上げる無垢材 室内環境を調える働きとは?


住宅に必要な性能には、断熱性、気密性、耐久性、耐震性、可変性があげられます。どれも長く、安全に暮らせる住宅には欠かせない性能です。そして、無垢材には、断熱性を高める働きの他に、室内環境を調える働きがあります。

無垢材とは、天然の木を伐採し、乾燥させて、板状に加工した木材のことです。天然の木は、乾燥させることによって、強度が増し、そりや歪みが少なくなり、住宅建材に適した木材になります。そんな無垢材の持つ室内環境を調える働きについて考えてみましょう。

快適な家には欠かせない断熱性

私達が、快適に暮らすためには、室内の温度が適温に維持されている必要があります。日本の家は海外の先進国に比べると、断熱性が低く寒い家が多いのが現状です。断熱性の低い家は、冬、室内の温度が著しく低下する為、健康に悪影響を与えます。その為、イギリスでは、室温は21度以上が理想とされています。19度以下は健康に悪影響を与えると考えられています。ドイツでは、19度以下は基本的人権を損なうとまで規定されています。

日本では、部屋全体、家全体を暖めるというより、部分的に暖める、暖を採るという方法で暖房が発達してきました。四季のある日本では、冬に寒いのは仕方がないという考え方があったと思われます。そんな寒かった日本の家を、暖かく快適な家にする為には、断熱性の高さが必要です。

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断熱性とは熱の移動を抑える働き

断熱性とは、寒い冬の季節には暖かい室内、暑い夏の季節には室内を涼しくするという熱の移動を抑える性能です。
具体的には、冬暖かく、夏涼しい家を実現する為には、外の冷気や太陽の直射熱を家の中に流入させず、冷房で冷やした涼しい空気や、暖房で暖めた空気を家の外に流出させないという性能です。それ以外にも、断熱性の高い家での暮らしで実現することは様々あります。

冷暖房の効率
外の寒さや暑さから受ける影響が抑えられるので、冷暖房の効率がよくなり、常に快適な室温を保てます。特に2階建て住宅では、夏場は2階の部屋が暑く、冷房をしても、快適な室温にならず、居心地が悪くなりがちです。なぜなら、夏の屋根が受け止めている直射熱は、石油ストーブの20倍にもあたるほどの熱量だからです。その結果、断熱性の低い家では、室内が極端に暑くなり、夜になっても涼しくならず、寝苦しい日々が続くこともあります。断熱性の高い家では、階上の部屋も階下の部屋も、快適な室温が維持できます。

室内の温度差
空気には暖かくなると上昇し、冷たくなると下降するという性質があります。その為、せっかく暖房をしているのに足元が冷える、外気で冷えている壁や窓の近くは冷えていて、暖房の熱が吹き付ける部屋の中央は暑いなど、室内に温度差が生じてしまいます。しかし、断熱性の高い家であれば、外気の影響を受けにくいので、ポットの中のお湯のように、室内の暖かさがどの場所であっても一定に保たれます。

暖房している部屋と暖房していない部屋の温度差
暖房で暖められている部屋の温度と、玄関や浴室など、暖房をしていない部屋の温度差は、冬の暮らしのストレスの一つです。しかし、家全体が断熱されていれば、暖房している部屋と暖房していない部屋の温度差が抑えられます。断熱性の低い住宅では、この温度差が大きく、健康に悪影響を及ぼすこともあります。暖かいリビングから寒い浴室に行き、熱いお風呂につかることで発生する高齢者のヒートショックのリスクも高めます。

暖房をつけている時と暖房を消したときの室内の温度差
就寝時には暖房を止める家庭では、夜中から朝にかけて、室内の温度が急激に下がります。夜中に、28℃から33℃のベッドの中から出て、室温が8℃から10℃程度になっているトイレに行くことがあれば、18度もの温度差が高齢者の身体に悪影響を与えます。

結露を防ぐ
家の中と外との温度差が大きいと、結露が発生します。窓ガラスにつく結露は目に見えますが、マットレス、家具の裏、畳みなどに発生した結露は身に見えません。目に見えない結露に気付かず放置しておくと、カビが生え、ダニが発生してしまう恐れがあります。カビの胞子やダニの死骸やフンは、アレルギー症状を引き起こし、家族の健康に悪影響を与えます。アレルギー症状は、喘息などの気管支系の病気や、アトピーなどの皮膚系の病気に繋がることもあるからです。

また、住宅の内部に結露がおこり、骨組みの部分が腐朽してしまった場合、大きな地震によって、深刻な被害を受けるリスクも高まります。
断熱性の高い住宅であれば、結露の発生が抑えられ、健康リスクや地震による被害のリスクを避けられます。

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無垢材が断熱性を高める理由

熱が移動する率を表す熱伝導率は、建材によって大きく異なります。耐震性が高いコンクリートの住宅で、室内の温度を快適に保ちにくい理由は,コンクリートの熱伝導率の高さにあります。コンクリートの熱伝導率は木材の約10倍も高いのです。

もちろん、無垢材の内装だけで断熱性の高さを完璧に高めることはできません。壁の中に組み込まれている断熱材の種類、内装に使う無垢材の厚さによっても変わってきます。しかし、無垢材の内装によって、確実に断熱性は高まります。

住宅に求められる断熱性能

建物全体の断熱性能は、熱損失係数(Q値)又は、外皮平均熱貫流率(UA値)という数値で表します。屋根、壁、床、窓など、外気に直接触れている面から、失われていく熱量のことです。

熱損失係数(Q値)は熱損失量を床面積で割って算出されます。その為、面が多い形状の建物や、天井の高い家は、同じ床面積でもQ値が大きくなることがあります。
外皮平均熱貫流率(UA値)は、熱損失量を外皮面積で割って算出されます。その為、建物の形状によってUA値が大きく変わることはありません。

断熱性は、断熱材の種類、窓のタイプによって大きく変わります。どちらの値が表示されていたとしても、値が低ければ低いほど断熱性能の高い家、高ければ高いほど、断熱性の低い家です。

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室内環境を調える調湿機能

無垢材の内装には、室内の湿度を一定に保つという働きもあります。木の内部には、水分や養分と水分を地中から吸い上げるための細胞壁が無数にあります。木の細胞壁が作る道管という管は、伐採され、乾燥させられて木材となった後もなくなりません。その為、木材には目には見えない無数の穴が開いています。この穴が、木が加工され、建材となった後にも、呼吸し続けていると言われる理由です。

木材は、室内の湿度が高くなった時には、この穴から水分を吸収し、室内の湿度が高くならないようにします。反対に、室内が乾燥した時には、内部に蓄積した水分を放出して、室内の乾燥を抑えます。このような働きを調湿作用と言います。つまり、無垢材内装の部屋では、調湿作用が働くので、適切な湿度が保たれるのです。

私達の健康を守るためには、室内を適切な温度にしておくことが大切です。具体的には、夏は55パーセントから65パーセント、冬は、45パーセントから60パーセントの湿度が理想的です。40%未満では、喉や口の粘膜が乾燥して風邪をひきやすくなったり、肌が乾燥して肌荒れを起こしたり、目が乾燥してドライアイになったりします。その他も、静電気がおきやすくなり、インフルエンザウィルスも、感染力が高まり、活発に活動し始めます。

反対に湿度が70%以上になると、汗が蒸散しないので、不快なだけではなく、熱中症を発症しやすくなってしまいます。また、カビが発生しやすくなり、カビが発生すると、ダニも発生してしまいます。カビやダニは、アレルゲンとなり、家族の影響に悪影響を与えます。
無垢材の内装では湿度が調えられるので、乾燥しすぎたり、じめじめしたりすることがありません。

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家族に安らぎを与える香り

旅先でログハウスに宿泊した人が感じるのは、室内に溢れる清々しい木の香りと、居心地の良さではないでしょうか?この感覚は、無垢材の持つフィトンチッドという芳香成分が作り出す現象です。木の芳香成分の基は、木が土に植わっていた時に、土中や空気中にいる有害な微生物や虫類から身を護るために備えられていた抗菌成分です。

そして人間にとっては、脳内のアルファー波に働きかけて心を落ち着かせ、リラックスさせる効果があるのです。具体的には、ストレスを解消する、睡眠の質を高める、自律神経を調える、免疫力を高めるなど、心と身体の健康に良い影響を与える働きです。

特に、パインやヒノキなどの広葉樹は、フィトンチッドの量が多いと言われています。細胞壁が作る穴と同じように、フィトンチッドも、木材になってからも失われることはありません。無垢材内装の部屋は、何年経ても、家族の健康に良い影響を及ぼし続けます。

心地よい床

無垢材の床は、吸湿する働きがあるので、夏、裸足で歩いてもベタベタせず、気持ち良い感触が味わえます。反対に冬は、冷気の移動を抑えるので、床の冷たさが緩和されます。また、木は柔らかいので、衝撃から足首やひざ、腰の関節を守ります。コンクリートのように硬すぎず、ふかふかした絨毯のように柔らかすぎず、歩きやすい床です。犬や猫にとっては、滑らず、しっかり蹴れる生活しやすい床です。

その他にも無垢材の内装には、紫外線の反射を柔らかくして目に与える刺激を和らげる、木目の持つゆらぎ効果が心地よさを与えるなど、居心地の良い部屋を作るたくさんの働きがあります。家づくりを検討する際には、無垢材内装の魅力もどうぞ参考になさってください。

断熱性が高い無垢材内装の家をお考えならエイ・ワン(株)にご相談を

エイ・ワン(株)は無垢材を内装に使ったログハウス風住宅など、ローコストで暮らしやすいシンプルな住宅を建築する会社です。

ローコストではありますが、建築基準法で定められた耐震性以上の耐震性、家を劣化させない工法による高い耐久性、複層ガラスの窓や断熱材による高い断熱性を備えた長期優良住宅に対応できる性能の住宅です。

長く住まえる家、快適な暮らしができる家は、住宅性能の高い家です。加えて、無垢材の内装の家は、天然の木材が持つ特性によって、家族の健康を守り、心を癒す住宅です。

エイ・ワン(株)は、施主様のライフスタイルや人生観に合わせた住宅の在り方を常に考え、お客様にとって最適な解決策をご提案する暮らしやすい家の創り手です。

”全ては笑顔の為に”

これは、当社が常に心掛け、実践している家づくりです。

エイ・ワン(株)では、これまでに培ったノウハウと、数多く施主様の問題解決を行ってきた豊富な実績を基に、施主様の希望を叶える無垢材を使った家のプランを設計し、ご提案いたします。

ご提案の過程で、家族の夢や実現したいライフスタイルなどの、ご希望を存分にお聞かせください。
当社のスタッフが全力で、お客様の家づくりに寄り添います。

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監修者情報

エイ・ワン株式会社(A-1 home)

エイ・ワン株式会社(A-1 home)

エイ・ワン株式会社(A-1 home)は、茨城県行方(なめがた)市で1981年より40年以上「設計・施工・監理一貫体制」で家づくりをしている工務店です。
一級建築士5名/二級建築士2名/宅地建物取引士3名/ファイナンシャルプランナー2名
が在籍しており、各分野の専門知識を持ったプロがマイホームを共に形にしていきます。

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