木造住宅の寿命は短い?

日本国内の一般的な戸建て住宅のほとんどは昔からずっと木造住宅です。木で建築された家が日本の風土気候に合っており、暮らしやすさを感じる人が多いからでしょう。また、鉄筋の住宅より建築費を抑えられることも、木造住宅を選ぶ人が多い理由の一つでもあります。

それほど多くの人が選んでいるにもかかわらず、多くの人から木造住宅の寿命は30年だと思われています。

「木は腐るから鉄筋より早くダメになっても仕方がない」

「家とはそういうものなのだろう」

「子供は子供で新しい家を建てるのだから問題ない」

本当にそうでしょうか?日本に古くから残る木造建築の中には、法隆寺や東大寺のような寺社仏閣だけではなく、寛文10年(1670年)に築かれたという片岡家住宅などの個人の邸宅もあります。決して木造住宅は、長持ちしない家ではありません。ではなぜ、木造住宅は寿命が短い、世代ごとに建て替えが必要と考えられてしまうのでしょうか?

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木造住宅の寿命が短いと言われる理由

その理由には、日本の住宅事情とライフスタイルの変化、住宅の性能の進歩が考えられます。

日本の住宅事情の移り変わり

1945年に終戦を迎えた日本の主要な都市では、ほとんどの住宅が戦火によって失われていました。その為、人々の住環境を整えるために、急激にたくさんの家が建てられました。この時期に家に求められたものは、質より量です。

さらに高度成長の時代にも、多くの人が家を建てました。この時期には、土地の価格が高騰していたので、家の質を求めるより、土地の価値に重きを置く人が少なくありませんでした。また、経済的に余裕があったため、まだ老朽化していない家でも新しく建て直すケースもありました。その結果、建てては壊すという家づくりの考え方が定着してしまったとも考えられます。

ライフスタイルの移り変わり

人々のライフスタイルの変化に、住宅が対応できなかったという問題があります。昭和から平成にかけて、日本人の暮らしは大きく変わりました。家族の在り方の変化によって、好まれる間取りは変わってきました。またインターネットの普及、電化製品の発展などに伴って、生活の仕方も変わってきました。暮らしが変わるということは、暮らしやすい住居のスタイルも変わるということです。

親世代の建てた家がそれほど老朽化していなくても、自分たちにとっては住みやすい家ではない、リフォームにお金をかけるなら新しい家を建てたほうが良いと考える子世代が増えても不思議はありません。その結果、築30年程度で取り壊された家が増えてしまったのです。つまり、木造住宅そのものの寿命が短いのではなく、住宅に関わる時代の都合や人々の考え方が、木造住宅の寿命は短いという思い込みを作ってしまったのです。

住宅の性能の進歩

バブル以降のここ数十年は、家計のやりくりに追われている家庭が増えてはいますが、進歩し続けている住宅の性能に魅かれて、親の家は受け継がず、新築する人も多くいます。古い家は、夏暑く、冬寒い、結露やカビが発生しやすいなど、現在の家と比較すると、断熱性が低いからです。また、阪神大震災以降、何度も改正された耐震基準を満たしていないことも、古い家に住みたくない理由の一つとしてあげられます。

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孫の代まで暮らせる木造住宅の条件

築30年どころか、現実には築70年、80年の木造住宅に住み続けている家族もあります。築30年で取り壊してしまう家と、長く暮らせる家との違いはどこにあるのでしょうか?

住宅の性能の高さ

  • 構造躯体が強靭で、優れた耐震性能を持っている 大きな地震や台風に襲われても被害にあわない強靭な後続躯体が必要です。
  • 耐火性能を持っている 木造の家であっても、万が一火災が起きた時や、地震時の延焼に巻き込まれた時に、最小限の被害で食い止められる性能が求められます。
  • 劣化対策がされている 木造住宅で家が劣化する原因には、シロアリ、雨漏りなどによる湿気があげられます。これらの被害が発生しないような対策が施されていることが必要です。

→ シロアリの恐ろしさ 木造住宅にとってシロアリは非常に恐ろしい存在です。森では倒木を食べて森を守る働きをしますが、市街地では住宅に侵入して被害を与えます。目に見えない家の基礎を食い荒らして、地震に弱い家にしてしまうのです。大きな地震で倒壊した家の多くは、家の耐震性能が低かったわけではなく、シロアリの被害を受けていたという調査報告もあるほどです。シロアリの被害にあわない為には、新築時にしっかりとシロアリ対策がされていること、定期的にシロアリの予防対策をすることが非常に重要です。

 湿気の恐ろしさ 耐用年数にも満たない家を解体しなくてはならなくなるほど家を劣化させる原因の一つは湿気です。湿気によって屋根の野地板や垂木に結露が生じ、金物が錆び、木材が腐朽してしまう、床下に浴室の湿気が入り込み、シロアリを発生させるといったことがおこる可能性があるのです。湿気を家に侵入させない為には、新築時に雨漏り対策などがしっかりされていることが基本ですが、床下や、小屋裏の点検も重要です。

住宅性能の維持しやすさ どんなに優れた住宅であっても、住宅の性能を維持する為には、定期的な点検と修理が必要です。定期的な点検や修理を怠らない為には、点検や修理が負担にならないことが大切です。また、構造躯体より耐久性が低い住宅設備機器や内装などの交換が手軽にできることも求められます。

室内環境の整えやすさ

  • 四季折々の温度や湿度の変化に対応し、常に最適な環境を維持しやすい断熱性と気密性がある 夏涼しく、冬暖かい家を実現するためには、家の中に侵入してくる太陽の直射熱や冬の冷気を防ぎ、暖房の熱やエアコンの冷気を逃さない断熱性と気密性が求められます。
  • 間取りと窓 室内環境を調えやすい間取りであり、採光、採風、プライバシーの確保ができる位置に窓がついている必要があります。

可変性

  • ライフスタイルの変化に対応できる 子育て、子供の独立、子供夫婦との同居、高齢化に伴うバリアフリーなど、家族内のライフスタイルの変化、耐震性や断熱性など、家の性能の進歩と法改正などの社会的な変化に柔軟に対応できる間取りの家であることが求められます。
  • 周囲の状況の変化に対応できる 周辺の環境に変化があった時に、その変化によって暮らしの質が下がらないような対応ができることが必要です。平屋だった隣家が3階建てになった、空き地だった隣の土地に2階建ての家が建ったというようなことがおきた時に、日当たりや風通しが悪くならないような対応ができることが大切です。

周囲の環境との調和

  • 周囲の景観と調和している
  • 周辺の住宅との適度な距離感がある
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木造住宅の快適性を長持ちさせるためにしなくてはならないこと

木造住宅を孫の代まで暮らせる家にする為には、常に快適な生活を維持できる家である必要があります。快適な生活を維持できる家は、専門家による定期的なメンテナンスに加えて、その家に住んでいる家族がする日常的なお手入れがされている家です、

数十年前に比べると、住宅の性能は日々進歩しています。その為、日々のお手入れも以前に比べれば、ずっと手軽にできるようになってきています。具体的なお手入れの方法を確認していきましょう。

家庭でする日常的なお手入れ

  • 換気 家の中の空気が流れず、滞ってしまうと、湿度が高くなり家の劣化に繋がります。特に浴室は、入浴後の換気が大切です。
  • 結露 断熱性が低い家では、結露が発生します。結露はカビやダニを発生させて人間の健康被害を与えるだけではなく、家の劣化に繋がります。結露を起こさない家であることが基本ですが、結露を起こさない、結露がおきた時には水分を放置しないことが必要です。
  • 排水口 キッチンや浴室、トイレなどの排水口をまめに掃除しておかないと、排水管の汚れや劣化に繋がります。排水管が詰まったり、排水管にひびが入ったりすると、家の劣化に繋がります。
  • サッシ サッシの溝にほこりが溜まると、窓を開閉しにくくなるだけではなく、窓の気密性が低下します。窓の気密性が低下すると、断熱性も低下し、室内環境が調えにくくなってしまいます。
  • 庭廻り 廃材や薪などが庭に放置されていると、シロアリ発生の原因になってしまい、家の劣化に繋がります。

専門家に依頼するメンテナンス

  • 屋根のメンテナンス 屋根の建材の種類によってメンテナンスが必要な時期が異なります。定期的な点検や補修は10~15年程度を目安におこないます。塗装や葺き替えをする時期は、一般的な住宅で多く使われているスレート屋根ではおよそ10年、ガルバリウム鋼板は25年から30年、日本瓦は60年から100年を目安に工事をします。
  • 外壁塗装 外壁の塗装は外壁の建材や塗料の種類によりますが、築後10年を目安にし、その後もおよそ10年ごとに再塗装する必要があります。再塗装が必要な理由は、外壁の防水性能が紫外線や雨風によって低下してしまうからです。防水性能が低下すれば、外壁から雨水が住宅の内部に浸透してしまいます。塗装がところどころ剥がれている、外壁を触ると白い粉が手につくといった状態になる前に再塗装することが理想です。
  • 内装 壁や床、天井に使われている素材によって張替えの時期は異なります。シミがついた、クロスが剥がれたというようなことがなければ、定期的に張り替える必要はありません。
  • 住宅設備機器 ユニットバス、システムキッチン、トイレなどが15年から20年を目安に交換すると、快適に使い続けられます。

家を建てるなら、健康に良さそうだから木造にしたいけれど、耐用年数が短そうで不安という心配は、無用な心配です。3つのポイントで、家の快適性、安全性が保たれます。

  1. 信頼できる工務店で建築する
  2. 暮らし始めてからは日々の掃除をまめにする
  3. 建築を依頼した工務店に相談してメンテナンス計画を立て、実行する

木造建築の家は、日本人にとって暮らしやすく、居心地の良い家です。ぜひ木造建築で自分たち家族のための家を建て、健康で幸せな日々をお送りください。

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長く住まえる木造住宅をお考えならエイ・ワン(株)にご相談を

エイ・ワン(株)は無垢材を内装に使ったログハウス風住宅など、ローコストで暮らしやすいシンプルな住宅を建築する会社です。

ローコストではありますが、建築基準法で定められた耐震性以上の耐震性、家を劣化させない工法による高い耐久性、複層ガラスの窓や断熱材による高い断熱性を備えた長期優良住宅に対応できる性能の住宅です。

長く住まえる家、快適な暮らしができる家は、住宅性能の高い家です。加えて、無垢材の内装の家は、天然の木材が持つ特性によって、家族の健康を守り、心を癒す住宅です。

エイ・ワン(株)は、施主様のライフスタイルや人生観に合わせた住宅の在り方を常に考え、お客様にとって最適な解決策をご提案する暮らしやすい家の創り手です。

”全ては笑顔の為に”

これは、当社が常に心掛け、実践している家づくりです。

エイ・ワン(株)では、これまでに培ったノウハウと、数多く施主様の問題解決を行ってきた豊富な実績を基に、施主様の希望を叶える無垢材を使った家のプランを設計し、ご提案いたします。

ご提案の過程で、家族の夢や実現したいライフスタイルなどの、ご希望を存分にお聞かせください。
当社のスタッフが全力で、お客様の家づくりに寄り添います。

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監修者情報

エイ・ワン株式会社(A-1 home)

エイ・ワン株式会社(A-1 home)

エイ・ワン株式会社(A-1 home)は、茨城県行方(なめがた)市で1981年より40年以上「設計・施工・監理一貫体制」で家づくりをしている工務店です。
一級建築士5名/二級建築士2名/宅地建物取引士3名/ファイナンシャルプランナー2名
が在籍しており、各分野の専門知識を持ったプロがマイホームを共に形にしていきます。

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