雪の日に想う、間取り・プラン

関東甲信越地方では、2018年1月22日に雪が降り、都心でも22cmの大雪となりました。
交通網も乱れ、帰宅や移動に苦労された人が多かったようです。

また、24日には、北陸地方で24時間で降る雪の量は、多いところで100cmの予想となっています。

社会人になったばかりのころ、2月に山形県でも豪雪地帯といわれる街に出張することがありました。

商談も無事に終わり、その日は泊りの予定だったので、夕方から取引先の方と食事をしました。
楽しく食事の後、店の外に出るとしんしんと降る雪が街頭に照らされています。
思わず、「雪がきれいですね」と言ってしまいました。

その時に、取引先の方から、「雪国の人間の前で、『雪がきれい』なんて言葉を使ってはいけない」とたしなめられたのです。

雪国では、朝出社する前に、家の駐車場の雪かきをし、会社に着けば会社の駐車場の雪かき。
1日会社の中で仕事をして、帰るときに会社の駐車場の雪かき、家に着けば家の駐車場の雪かきをしなければならない。
天候によっては、車で15分で行けるところが2時間以上かかる場合もある。
住宅地では、雪かきした雪のことで近所の人と険悪になることもある。
だから、私たちは『雪がきれい』なんて思ったことはない。

と、雪国での苦労をたんたんと教えてくれました。

豪雪地帯に商談に行き、1~2日しかいない人間にとって、雪はキレイなものかもしれませんが、そこで生活するとなると、苦労が多いということをそこで初めて知りました。

 

お客様と間取りやプランの打合せをしていると、
こんな間取りにしたい。
こういうキッチンの配置にしたい。
このサッシを使いたい。
と、さまざまなご要望をいただきます。
近年は、雑誌やインターネットで多くの多くの施工事例を見ることができるようになったので、そこで見て自分が気に入った間取りやプランを取り入れてゆきたい。ということです。
こちらは、そういうご要望をお聞きするたびに、できるだけ取り入れたプランをご提案しなければ…。
という気持ちになります。

しかし、ご要望の中には、(ご予算は別として)
デザイン・イメージは良いが、明らかに使いづらそうだ。
この間取りで10年後大丈夫なのだろうか?
このプランのままだと、耐震性に問題があったり、熱効率が悪く電気代が高額になるだろうな
と、いうものもあります。

自分の家を建てる時に、他の施工事例を参考にすることは本当に大切なことです。
良いプランや間取りのアイディアがあったら、どんどん取り入れていくべきだと思います。

しかし、一度冷静になって、
自分が気に入った間取りやプランの家で、どんな生活ができるのか?
その間取り・プランで10年後・20年後・30年後 どのような暮らしをしているのか?
イメージしてもらいたいのです。

もしかしたら、その間取り・プランは、イメージは良いが生活するには問題がある間取り・プランと感じるかもしれません。
注文住宅の場合、より満足できる間取り・プランを作成するためには、現実の生活・将来の生活をイメージすることが大切だと思います。

<家づくりの教訓>
現実や将来のことを想像して、間取り・プランを創造しよう

建築事例