家族の車いす生活から考える、住まいのこと|退院後の暮らしで実感した住まいの工夫

こんにちは。

先日、「家族の車いす生活から考える、住まいのこと|退院前にわが家を見直して気付いたこと」というブログを書かせていただきました。

ケガで足首を手術することになり、初めて車いすで生活することになったこと。そして退院を前に、自宅を見直しながら「ここは大丈夫かな?」「ここは少し不便かもしれないな」と感じたことをお伝えしました。

▼前回のブログはこちら
家族の車いす生活から考える、住まいのこと|退院前にわが家を見直して気付いたこと

 

その後、経過もよく無事に退院することができました。

とはいえ、退院したからといってすぐに元通りの生活へ戻れるわけではありません。

しばらくは車いす、その後は松葉づえで生活することになり、自宅で過ごす中で改めて「この家でよかった」と感じることや、「ここは少し大変だったな」と感じることがありました。

前回は「退院前に想像していたこと」でしたが、今回はその続編として、実際に暮らしてみて初めて分かった住まいのことを書いてみたいと思います。


玄関の3段の階段よりも、大変だったのは玄関ドア

我が家の玄関には3段の階段があります。

今回の手術は足首だったため膝は使うことができ、膝サポーターを着けて膝で階段を上り下りしてみました。

「できないことはない。」

そんな感覚でしたが、一番苦労したのは階段そのものではなく、玄関ドアでした。

玄関ドアは外開きなので、外から家に入るときは、一度手前にドアを引いて開ける必要があります。

膝で体を支えながらドアを手前に引き、その状態で体をかわして家の中へ入るのは思っていた以上に大変でした。

そこで我が家では、車をウッドデッキの横へ停め、

車 → ウッドデッキ → ワイドサッシ → リビング

というルートで出入りするようにしました。

車からウッドデッキに腕の力で乗る、という体力は必要ですが、この方法が一番スムーズでした。

普段は洗濯物を干したりするための掃き出し窓ですが、こんな場面で大活躍するとは思いもしませんでした。


1階だけで生活が完結できる間取りは本当に助かった!

退院後しばらくは、階段を使うこと自体が大きな負担でした。

膝での移動もしすぎると痛みが出るため、毎日2階へ上り下りすることは非現実的でした。

我が家は1階に居室があり、生活に必要なことが1階で完結できる間取りだったので、本当に助かりました。

普段はあまり意識していなかった間取りでしたが、「もしもの時」にそのありがたさを実感しました。

この間取りは、きっと老後にも役に立つだろうと思っています。


引戸の使いやすさを改めて実感

退院後、特に便利だと感じたのが引戸です。

車いすの時はもちろん、松葉づえ生活になってからも、開き戸は想像以上に使いにくいものでした。

押して開ける、引いて開ける。

たったそれだけの動作でも、松葉づえを使いながらではバランスを取る必要があり、一人で開閉するのに苦労する場面が何度もありました。

その点、引戸は横へスライドさせるだけ。

移動の流れを止めることなく開け閉めできるので、とても使いやすく感じました。

普段は気にすることのない設備ですが、「もしも」の時には大きな違いになることを実感しました。


広めのリビングだから安心して過ごせた

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家の中では、松葉づえを使えるようになるまでは、ほとんど膝で移動する生活を送っていました。

足は絶対にぶつけてはいけない状態だったため、家具との距離や動線にはとても気を遣いました。

広さがあると移動距離は少し増えてしまいますが、リビングにゆとりがあったことで、家具にぶつかる心配も少なく、安心して生活することができました。

また、本人だけでなく家族も安心して過ごせたことは大きかったと思います。

万が一ぶつかったり、足を踏んでしまったりする心配が少なく、お互いに気を張りすぎず生活することができました。


ワイドサッシとウッドデッキが「もう一つの玄関」に

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今回、活躍した場所は意外な設備でした。

車いす生活では、前述の通り、

車 → ウッドデッキ → ワイドサッシ → リビング

という動線が毎日の出入りの定番になりました。

掃き出し窓やウッドデッキは、普段は庭とのつながりを楽しむ場所ですが、状況によっては「もう一つの玄関」として大きな役割を果たしてくれます。

暮らし方が変わると、住まいの使い方も変わる。

そんなことを実感した出来事でした。


まとめ

今回の経験を通して、「こうしておけばよかった」と思うこともあれば、「何気なく選んだものが、こんなに役立つとは」と感じることもたくさんありました。

もちろん、家づくりには予算があります。

「将来のために」「もしものために」と考え始めると、すべてに備えた家をつくりたくなりますが、現実的には限りがあります。

実際、我が家も今回のケガを想定して間取りや設備を決めたわけではありません。

それでも、1階で生活が完結できることや引戸、ワイドサッシとウッドデッキなど、暮らしやすさや充実を考えて選んだものが、結果的に大きな助けになりました。

一方で、玄関の階段やドアの開き方など、「ここはもう少し違う選択肢もあったかもしれない」と感じた部分もあります。

家づくりは、すべてのことに備えようとすると、どうしても費用がかさんでしまいます。

だからこそ大切なのは、「もしも」のことも少しだけ想像しながら、毎日の暮らしやすさとのバランスを考え、自分たちに合った優先順位を決めることではないでしょうか。

今回の経験で感じたのは、住まいに「完璧な正解」はないということです。

そのご家庭の暮らし方や価値観、そしてご予算に合わせて、一つひとつ選択を積み重ねていくことが、後悔の少ない家づくりにつながるのだと思います。

今回の我が家の体験が、これから家づくりを考える方にとって、「こんな視点もあるんだ」と思っていただけるきっかけになれば嬉しいです。

そして私自身も、この経験を活かしながら、お客様一人ひとりの暮らしに寄り添ったご提案をしていきたいと思います。

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