建設予定地が農地だった件│千葉県

千葉県の方からの住宅相談がありました。

お父様の所有する土地にマイホームを建設したいとのこと。

その建設予定地を調査すると、地目が「畑(農地)」。

その土地に住宅を建てるためには、「農地転用」手続きをしなければなりません。


【目次】

■農地の定義と分類

■農地転用許可もいろいろ

■いざ、農業委員会へ

■農転許可申請は誰がする?

■(おまけ)鈴木栄治って誰?


■農地の定義と分類

建設予定地が農地だった件

農地法によれば農地とは、「耕作の目的に供される土地」と定義されています。

具体的には、

・登記簿上の「地目」が「田」や「畑」となっている土地

・地目が田や畑ではなくとも、現在耕作が行われている土地が農地となります。

さらに、農地にもさまざまな分類があります。

<農用地区域内農地>

『農業振興地域の整備に関する法律』に基づき、市町村が定める農業振興地域整備計画において農用地区域とされた土地のうち、現状が農地の土地

今後10年間以上にわたり農業利用を確保するために農地以外の利用を厳しく制限されています。

「農振農用地」、「青地」とも呼ばれています。

<第一種農地>

農用地区域内にある農地以外の農地であって、市街化調整区域の土地改良事業などの対象となった農地など、特に良好な営農条件を備えている農地です。

<甲種農地>

市街化調整区域にある農地のうち、特に良好な営農条件を備えている農地です。

<第2種農地>

農用地区域内農地、第1種農地、甲種農地、第3種農地以外の農地です。

<第3種農地>

市街地の区域又は市街地化の著しい区域にある農地です。

 

■農地転用許可もいろいろ

建設予定地が農地だった件

農地を農地以外(今回は宅地)に転用する場合、または農地を農地以外に利用するために所有権を設定もしくは移転をするには、都道府県知事の許可を受けなければなりません。

農地転用許可には次の種類があります。

<農地法第3条許可>

農地について売買等により所有権を移転し、または賃借権その他の使用収益権を設定し、もしくは移転しようとする場合の許可。

つまり、農地を農地として利用する目的で売買や貸し借りを行う際の許可となります。

<農地法第4条許可>

農地の所有者や耕作者が自らその農地を住宅や資材置き場、駐車場などに転用する場合に必要な許可です。

所有者本人が、農地以外に使用する目的で利用する際の許可となります。

<農地法第5条許可>

農地の使用収益権を持たない方が、農地を住宅や資材置き場、駐車場などに転用するため、農地の所有者から農地を購入したり、賃貸借契約や使用貸借契約などにより農地を借りたりする場合に必要となる許可です。

農地所有者以外の人が、農地を耕作以外の目的で利用する際の許可となります。

<農地転用に許可が必要ない場合>

・市街化区域内にある農地についてあらかじめ農業委員会に届け出て転用する場合

・国、都道府県が転用する場合

・市町村が土地収用対象事業に用に供するため転用する場合

このような場合は、農地転用許可を受けなくても農地転用することができます。

 

■いざ、農業委員会へ

建設予定地が農地だった件

ご相談いただいている建設予定地が農地であることは間違いないので、建設予定地のある市役所の農業委員会に事前相談に行くことにしました。

その際、「地図」、「公図」、「土地全部事項証明書」、「測量図」などを用意し、事前に「都市計画」、「用途地域」、「上水」、「下水」、「接道」なども調査をしておきました。

農業委員会に着き、農地転用について相談すると、

・建設予定は『非線引き区域』に当たるので、住宅を建てるためには農地転用許可が必要

※非線引き区域とは、市街化区域と市街化調整区域に区分されていない都市計画区域をいいます。

・土地の所有者がお父様、家を建てるのは子なので「農地法第5条許可」となる。

とのことでした。

その方向で農地転用する上で許可申請に必要な書類や資料を教えてもらいました。

 

■農地転用許可は誰がする?

建設予定地が農地だった件

敷地調査が終わったので、施主様とお会いし、調査結果を報告し住宅建設の方向性を確認しました。

農地転用許可を行うのは本人または行政書士となります。

行政書士に依頼するのが一般的で、施主様の知り合いに行政書士がいればその方に依頼し、知り合いにいなければ紹介させていただくことになります。

お施主様の身内に行政書士がいるとのことだったので、農地転用許可はその方に依頼することになりました。

また、農地転用には「土地利用計画図」「建物等施設の平面図」「排水計画図」「見積書」が必要となります。

それらは住宅建築に関係するものなので、こちらで用意させていただき、行政書士の方に送付することになりました。

 

■(おまけ)鈴木栄治って誰?

建設予定地が農地だった件

農地転用は都道府県知事の許可を受けることになります。

農業員会でもらった農地転用許可申請書の宛名も「千葉県知事 鈴木栄治 様」となっていました。

鈴木栄治?

千葉県知事は、言わずと知れた『森田健作』のはずです。

もしかしたら農地転用申請書が、森田知事の前の千葉県知事の名前のまま使用されているのか?

そんなはずはない?

と思いながら、「鈴木栄治」なる人物を検索してみると、「森田健作」がヒットしました。

「???」

と、森田健作氏のプロフィールを読むと、『…本名は、鈴木栄治。…知事業務で法的書類は本名を利用する。…』とありました。

【森田健作プロフォール】

森田 健作は、日本の政治家、歌手、俳優、司会者、タレント。本名は、鈴木 栄治。元千葉県知事。 知事業務で法的書類は本名を使用する。タレントとしてサンミュージックに所属しており、同社に所属する最初のタレントである。 趣味はガーデニング。身長175センチメートル。血液型はO型。愛称はモリケン。

(ウィキペディアより)

これで疑問は解決です。

すっきりして家づくりの業務をすすめることができます。

※注:2021年8月現在の千葉県知事は「熊谷俊人 氏」となります。

 

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